ウォーターサーバーの一種に、ミネラルウオーター整水器というものがあります。一時期派手に宣伝をしていましたから、ご存じの方も多いと思います。

これは簡単にいうと、水道水を電気分解して、水の中のイオンのうち、マイナスの電気を帯びたものとプラスの電気を帯びたものを分けることで“アルカリイオン水”と“酸性イオン水”の2種類の水を作り出すというものです。水の中でイオン化したミネラルはそれぞれ電気を帯びた電解質の形になっています。

ですから水を電気分解すれば、ミネラルバランスやペー(I 値を変えることができるのです。理論的には、アルカリイオン水はミネラルの含有量がやや多く、物質の溶解性や熱伝導性も高まると考えられています。これに対して酸性イオン水は漂白、殺菌、収れん作用が強いといわれています。

その性質を利用してウォーターサーバーは料理や健康の比較に、酸性イオン水は洗濯や手洗いに用いると効果的とされています。この程度の効能をうたっているだけなら問題はなかったのですが、一時期、アルカリイオン水は「カルシウムの補給源にいい」「胃酸を整える作用がある」と話題になり、それに便乗して「糖尿病が治る」「リューマチにも効く」といった誇大な宣伝をする業者まで現れたため、ちょっとしたブームとなりました。

しかし、消費者からの度重なる苦情の相談を受けた「国民生活センター」が、これらのウォーターサーバーをテストし、「いわれているような医学的効能はほとんどない」という調査結果を発表しました。それは「アルカリイオン水に含まれるカルシウムの総量はせいぜい牛乳の数十分の一であり、ペー(I 値も高めではあるが胃腸薬1 包なみの効果を得るためには10リットル以上飲む必要がある」という、ほとんど全面否定に近い内容のものでした。

その後、一部の大学や病院が「腸内の異常発酵の抑止効果がある」という臨床データを発表したこともありましたが、結局、アルカリイオン水の医学的効果は今もって不透明なままです。ですから、何らかの健康への効果を期待して”アルカリイオン整水器”を購入するのはおすすめできません。現在、市販されている家庭用の”アルカリイオン整水器”のほとんどが、ウォーターサーバーや活性炭などの浄水機能を備えています。

ですから浄水器として考えれば、それなりの効果は期待できるでしょう。しかしそれにしては、一般的な浄水器の数倍という高い値段が気になることも事実。また「病気が治る」などと称して、数十万円から数百万円もする高価な機械を売りつける詐欺まがい商法も相変わらず横行していますから、だまされないように気をつけて下さい。